■ライター募集!■ サウンド音楽院は「すべての人に音楽を」をモットーに、音楽に関するあらゆる知識を網羅することを目指すポータルサイトです

【チェロ練習】「毎日5分」でいいので楽器に触ろう~体は音楽を一瞬で忘れていく~

こんにちは、チェロ奏者のヌビアです。

皆さんはチェロの「練習」をどのくらいの頻度で行っているでしょうか?

 

もしかしたら仕事が忙しかったり、学校に楽器を置いていたりして

なかなか毎日は練習できない方もいるかもしれませんね。

 

ですが、楽器をやるうえで一番大切なことは「毎日触ること」です、趣味でも仕事を目指す人でも。

今回はこれについて解説していきます。

 

身体は簡単に「弾き方」を忘れていく

 

たとえば、人は自転車に一度乗れるようになれば

そこから5年くらい乗らなくても「乗れなくなった!」とはならないですよね。

 

ところが、楽器は違います。

1日、1週間、1ヶ月弾かなくなるだけで、一瞬で体は弾くための感覚を忘れていきます。

 

これは「楽器を弾くという行為が、生活に絶対必要ではないから」です。

別にチェロや楽器を弾かなくても、人間は生きていくことができます。

 


 

お箸の持ち方は食べるために必要です。

鉛筆の持ち方は社会で生きていくために、自転車の乗り方も自分の命を守るために必要です。

 

しかし、楽器は違います。

 

高校で勉強したものの、使わなくなってしまった数学の公式を忘れていくように

日常に直結していない知識・感覚を、脳は整理(断捨離)していくのです。

 

たとえ趣味でチェロを弾いていても、僕はこれはとてももったいないことだと思うんですね。

好きで始めたのに、一時の練習した分が「ゼロ」になってしまう。

 

 

※ちなみに僕は、まあ数日弾かなくてもチェロの腕が衰えることはありません。

少し思い出すために練習が必要ですが、すぐに元に戻せます。

 

なぜか、もうお分かりですね。

仕事にしているから、生活に直結しているからです。

 

「練習」と身構えると辛くなる

しかし、毎日練習できない人の気持ち・事情もよく分かります。

いくらチェロが好きであっても、毎日練習するというのは相当ハードルが高いでしょう。

 

僕も子供の時は、毎日練習だなんてとてもじゃないけど耐えられませんでした。

親に言われるのでしぶしぶ楽器を触り、10分触って飽きて、漫画を読み始めていました。

 


 

思うに、それはこういう思考のステップがあるからではないでしょうか。

練習しなきゃと決意

・練習するなら30分くらいは弾かないと

・練習するなら上手くなってないと

・楽器をケースから取り出し
(場合によっては練習できる場所へ楽器を運び)

・一定の時間弾いて

・また楽器を片付ける
(家に持ち帰る)

・……という風に考えて足取りが重くなる

また今日も弾けなかった

 

マジメな人ほど、この負のスパイラルに陥りがちだと僕は感じています。

そして先生のレッスンに「不完全な状態」で行くのが辛くなってくる

 

……もしあなたがこうなのだとしたら、

せっかくチェロを楽しく弾けるかもしれないのに、本末転倒です。

 

練習ではなくて「触る」

 

なので少し考え方を変えてみませんか。

毎日5分、触るだけでいいんです。

 

別に先生から言われたポイントを、毎日毎日マジメに復習する必要はない

気が乗らなければ、自分の好きな曲を勝手に弾いてていいんです。

 

 

少なくとも僕のレッスンでは「今週気分が乗らなかったので、自分の好きな曲を弾いてきました」と言ってくれれば

「そうか!じゃあ今日はそれを聞かせてくれるかな?」となります。

 


 

僕はおそらく、「まじめな生徒」とはとても言えないくらい、まあ練習していませんでした。

特に中学~高校は、実に不真面目な練習態度だったと思います。

 

僕の練習時間の70%は、こっそり持ち込んだ「ゴルゴ13」や「手塚治虫全集」を

読破するためにあてられていたのですから。

 

 

それでも毎日10分~15分は楽器を弾きました。それは間違いありません。

その結果、気付けば国際コンクールで賞を獲っちゃっていたという。

 

そして僕の先生は、そんな僕にも「まず楽しく弾くこと」を第一に毎週レッスンしてくれました。

前の週に比べて上達しない時も、決して僕を怒ることはありませんでした。

 


 

「上手くならなければならない」「完璧にしなければならない」

そういった無意識のうちの圧力が、楽器を遠ざけます。

 

毎日歯を磨くように、毎日ご飯を食べるように

毎日楽器がそこにある、そんなライフサイクルを作ってみましょう。

 

 

趣味で始めても、本気で仕事にしたくて始めても

どんな人だって「見えない圧力」に囚われてしまうことがあります。

 

課題曲をやらなくてもいい。ケースから出すのが面倒なら、床に置いておいたままでもいい。

音が出せない環境なら、指ではじくだけでも、エアーで弾くだけでもいい。

 

それだけで楽器は、いつまでもあなたのことを忘れることはありません。

 

さいごに

 

「本当に5分で変わるの?」と思う人もいるでしょう。

マジメに何時間も練習した経験があれば、目に見えた進化はないかもしれません。

 


 

ですが、学校の勉強で何となく授業を受けていただけでも

気付けば一通り、ある程度の知識は頭に入っている。

 

そんな経験のように、楽器に毎日触ることで本当に変わります。

また、楽器への向き合い方も変わります。

 

何も毎回毎回、一生懸命集中して、楽器に愛情を注ぐ必要なんてないんです。

人間の感情は有限です、疲れている時にそんな風に楽器に向き合っても疲弊するだけ。

 

 

時に機械的・無感情なルーティーンでもいい、当たり前に楽器が隣にある状態にする

そうすれば、楽器への愛情なんてものは、ふとした時にそっとそこにあるでしょう。

 

それでは、どうぞ楽しいチェロライフを!

 

 

 

 

>すべての人に「音楽」を

すべての人に「音楽」を

音楽に関するあらゆる知識を集結させた
完全無料&日本一のポータルサイトを目指しています
情報提供/ライター募集のお申込みなどお気軽にお寄せ下さい