家で大きな音が出せないのでチェロが練習できない……
そんな時に選択肢として考えられるのがサイレントチェロ、いわゆるエレキチェロです。
ですが実は、購入に当たってはいろいろな注意が必要だったりします。
エレキチェロと普通のチェロ、2つの特性の違いも理解しておかなければいけません。
サイレントチェロってなに?
ギターのようにスピーカーにつなげることで音を出すことができます。
また、スピーカーにイヤホンを刺せば音を出さずに家でチェロを練習することができます。
NS Design NXTシリーズ
私が現在使っているエレキチェロは、NSDesign(エヌエスデザイン)さんのNXTシリーズ。
部屋での練習はもちろん、ステージ用としても大変相性がいい楽器となっています。
ちなみに、チェロ奏者でありアニソン歌手の分島花音さんも、数々の大舞台でこの楽器を利用しています!
良い点・便利な点
・環境を選ばずに練習できる
・いろいろな場所で演奏できる
生楽器としてのチェロはあくまで生演奏で聞こえる範囲でこそ
真の魅力を発揮します。
さらに、ライブハウスなど周りの音が大きい環境では、
周囲の音を拾ってしまうためマイクを通しての演奏に限界があります。
もちろん僕は、生楽器にも最新式のマイクを導入していますが
・どこにでも持ち運びしやすい
飛行機・電車などどんな交通機関の移動でもストレスなく持ち運ぶことができる
というのはとても大きなメリットです。
新幹線では通路を妨げてしまうのでやはりもう1席確保するか
1番前(1番後ろ)の席に座って空間を確保するしかありません。
エレキチェロは手荷物として持ち込めるサイズまで小さくすることができるので、
これは移動の際には大変ありがたいのです!
・エレキチェロ人口が少ないので活躍できる
楽器自体は昔から存在しましたが、チェロに注目が集まり始めている今、
これからの音楽シーンでより日の目を見る可能性があります。
悪い点・不便な点
チェロとはそもそも形が違う
これが一番の要注意ポイントです!!
それがエレキチェロの長所だからです。
それによって生楽器のチェロ本来の弾き方とは微妙に違うものになってきます。
いきなりエレキチェロから始めるとチェロが弾けなくなる?
先ほど記したその「微妙な違い」というのは、
ある程度チェロが弾ける人間にとっては順応できるものになってきますが、
初心者にとってはとても大きな違いになってきます。
中には形が似ている機種もありますが、やはり生楽器の立体感・構え方・体重のかけ方と比べて
体の使い方は異なってくるものです。
「エレキチェロだけのマスター」になるのであれば問題ないのですが、
おそらく初心者の方でエレキチェロに興味がある人の多くが
「チェロを弾く練習場所を確保したいから」手を伸ばす人が多いのではないでしょうか。
最初にエレキチェロから始めると間違った弾き方の癖が身についてしまい、
生楽器のチェロがうまく弾けなくなってしまう可能性があります。
もしあなたがチェロ初心者で、普通のチェロを弾きたいという思いが少しでもあるなら
……これでは本末転倒です。
まとめ
実際にエレキチェロを使っているプロのチェロ奏者である
私からから見た意見をまとめると、エレキチェロは
「初心者にはおすすめできず」
「中級以上の方には導入してもいいかも」
といった感じです。
もちろん一長一短ですので、ぜひ検討して頂ければと思います。
また、エレキチェロの扱いを含めたチェロレッスンを、対面・オンラインで開講しております。
エレキチェロを教えるレッスンというのはなかなか貴重だと思うので、興味があれば覗いてみて下さいね。