今「音楽では稼げない」と言われる時代。
特にクラシック音楽を学ぶ人にとっては、働き口やお仕事を見つけるのが以前よりいっそう厳しい状況になっています。
私の知り合いで、キャリア20年を超える声楽のプロ(バリトン)に尋ねると、実感として「稼げない」といいます。
日本トップの音大を卒業、オペラシティなどでもコンサートなどをされている方ですが、
それでも収入として家庭を支えるには十分でなく、色々な場所で忙しく指導のお仕事をしなければやっていけないそうです。
多く稼げる人は「テレビで活躍している」ような、実力も運も味方につけたごく一部のみ。
技術があっても「音楽で稼ぐ」ことは、なかなか難しいのです。
そこで今回は、クラシック音楽を学ぶ人におすすめしたい「これは学んでおいた方が良い」というスキルをご紹介!
英語(語学力)
まずこれから絶対に必要な能力として、僕は「英語力(語学力)」を取り上げたいです。
2019年現在、私の仕事の6割は海外からの受注になっています。
香港・シンガポール・アメリカ・フランス・UAE・カタール・ハンガリー……
その他多くの国々の方とお仕事をさせて頂いておりますが、これはすべて「英語力」があるからにほかなりません。
そして、英語力を高めるためには「国語力」も必要になってきます。
国語力とはつまり
・相手が何を言いたいのか、文脈を読んで理解する力
・自分の言いたいことを正確に伝える力
・相手とやりとりをする力
ということです。
人と接することが苦手な人でも、文面の国語力や英語力は鍛えることができます。
そうすれば、日本だけでなく世界中に営業ができ、仲間ができ、自分の活躍の幅を広げることもできます。
また、海外の文化と触れることは、自分の音楽性を広げることにも直結します。
例えば日本の音大でなく、あえて海外の音大を卒業する、というのも新しい世代の音楽家にとっての選択肢かもしれません。
私ヌビさんは音楽を武器にしたい人に向けて、
英語力を高めながらのチェロのレッスン、というものも行っています。お問い合わせはこちら↓
楽しんで英語を学びたい人には、随時更新している「洋楽から学ぶ英語コーナー」もおススメです
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録音・編集のやり方
次に重要だと思うのが「録音・編集のやり方」をある程度知っていることです。
私のやっているチェロはまだマイナーな楽器として分類されますが、楽曲に使う頻度も多い楽器です。
他にも、弦楽器・管楽器・鍵盤楽器……プロの制作現場ではたくさん生音を使いたい機会があります。
私も作曲家として制作を行うのでよく分かるのですが、
多くの楽曲制作者にとってありがたいのが「自分でパッと録音できて、データを送ってくれる人」です。
スタジオを押さえる必要もなく、予算も抑えることができるので、
プロはそういう対応が出来て、かついい演奏ができる奏者を常に探しています。
ですがこれは、クラシック楽器だけ触れていると全く触れることのない分野です。
「wavのヨンパチ」「32bit float」「デッドな音で」「ノイズリダクション」……
営業のかけ方
最後に、本来これは音大で教えるべきだろうと思うのですが「営業のかけ方」です。
音楽で仕事をしたいと思うのに、音楽にだけ集中してきてしまったために、自分の売り込み方が分からない。
要するにプレゼン力が足りない人が多すぎるのです。
そしてこれは、最初に取り上げた「国語力」、そしてそれだけではなく
相手の求めているものに対して簡潔に答えを出す力が求められます。
私についていえば、自分の営業メールが実際のお仕事につながった率は約20%くらいでしょうか。これ、まあまあ高いと思います。
(メールを送った母数がそんなに多くないので、この数字自体は話半分で大丈夫です!
私はこの20%を確実に次の仕事につなげて、さらに工夫して自動的にお仕事が入る状態を作りました。)
(おまけ)「唯一無二」になること
音楽を仕事にしようと思った私は、あえて音楽以外の勉強や学びを大切にしました。
自分の音楽には、足りないものが多すぎると悟ったのは17歳の時でした。
これはとても皮肉なことですが、生まれついての天才以外は
自分の音楽を深くしようと思ったら、音楽以外の人間性がモノを言うのです。
安心してください。そもそも生まれついての天才は、このサイトに行きついていません。
出会い・挑戦・勉強・人間関係・恋愛……
すべての要素が自分の音楽を深いものにします。
世界を広げながら、楽しい音楽ライフを!