チェロを練習していると「16分音符」や、テンポの速い曲に遭遇することがあります。
高校大学のオーケストラでも「芥川也寸志 弦楽のためのトリプティーク」といった曲に出会ったり、
趣味で弾いている人でも「チャルダッシュ」などはなかなかの難易度になってくるのではと思います!
そういった曲を演奏する場合に、
1音1音をごまかさず、かつ正確に演奏するにはどうすればよいのでしょうか。
いきなり速く弾こうとしない!
こういう時によくやってしまいがちなのが、
「最初から曲本来のテンポで弾こうとしてしまう」こと。
とにかくがむしゃらに指を動かし、弓を動かして、そんな練習を何分・何時間も……
そう言った練習をしてしまう人が、実際にいらっしゃるのではないでしょうか?
その気持ち、大変よく分かります!
自分も同じような練習をしてしまい、いつまでも弾けずに苦しんだものです。
まだ見ぬ難しい曲に出会ったとき、「こんな曲、人間には弾けないよ!!」と
プロになった今でも思うことがあります。
ですがそれでも必ず弾けるようになる必殺技があります。
それは文面にすると、とても当たり前のように聞こえることなのです。
成果を焦ってしまう気持ちは分かりますが、
ゆっくり弾けないものは、速い速度でも弾けません。
よく考えればそうですね、でもこれを多くの人が実践せずに「弾けない」となっているのです。
そう、正しい『ゆっくり練習』のやり方が存在するのです。
『ゆっくり練習』をするときのコツ
弓の使う量はそのまま!
となるパターンの時に、大体皆さんが間違えていることです。
例えば、ゆっくりのテンポでこの「チャルダッシュ」を練習するとしましょう!(1:56~)
動画を見ると分かりますが、本来とてもテンポの速い曲なので弓をとても細かく使う曲なのがお分かりいただけると思います。
これを「ゆっくり練習」するのに、弓をたっぷり使ってのびのびと弾いていたらどうでしょう……?
当然、細かい弓の動きの練習になっていないので、ここからテンポを上げても弾けないに決まっています。
テンポは絶対に一定!
実はこれも、無意識でついやってしまうありがちな練習ミスです。
そして特にこれは、難しいフレーズと簡単なフレーズが交互にやってくる曲にありがちです。
難しいフレーズをゆっくりで練習していたのに、
続く簡単なフレーズは「弾けてしまうので」テンポがつい上がってしまう。
……そんな「ゆっくり練習」になっていませんか?
「ゆっくり練習」の意味を考えてみましょう。
これは、テンポを落として練習し、だんだん速度を上げることで脳や体を曲に慣らすためのモノ。
なのに、難しい部分だけゆっくり弾いて、
簡単な部分は速くなってしまったらもう一定のテンポになっていないですよね。
それを加速したら……結局脳と体は「あれ?今までと違うぞ?」となり
結果、うまく弾けないまま、ということになりかねません。
セットになるバリエーションで練習!
ここで、ゆっくり練習をさらにレベルアップさせる方法をお教えしましょう!
それがバリエーション、通称「リズム練習」です!
ここに、リズム練習の例を作り、載せてみました!
最初の4分音符4つのリズムが、もともとのメロディーだとします。
まず「A」のように、付点のリズムで「テッテテッテ」という風にリズムを変えてゆっくり練習します。
そうしたら続けて「A’」のように、それと付点の位置を逆にして練習してみます。
こうすることで、恐らくびっくりするほどに元のメロディーがスラスラ弾けるようになっているはずです。
さいごに
こうしてだんだんテンポを上げて「ゆっくり練習」「リズム練習」を繰り返せば、
難しいフレーズもなんのその!……かも?
何かの曲で行き詰っている方は、ぜひ一度お試しください!
そして独学の限界を感じた方は、オンラインレッスンも開講しておりますのでこちらも覗いてみて下さいね。