音楽家・イラストレーター・声優・ウェブライター……
あらゆる職業において、会社や事務所に所属することなく個人で活動する
「フリーランス」という存在がいます。
一見自由に何でもできる立場に見えますが、
フリーランスになるにあたっては注意しておきたい点もたくさんあります。
周りに頼らなかった
フリーランスというのは「会社の傘に守られない」ので、
その分自分がしっかりしなければいけない、というのはもちろんなのですが
営業・SNS運用・グッズ制作・お仕事・ブログの更新・ウェブサイトの管理……
すべて一人でこなそうとする中で
というマインドが生まれてしまうことにつながります。
……かくいう私も未だに、ついつい一人でやろうとしてしまうのですが。
わかります、自分でやった方が早いって思うんですよね。
自分の思い描いてる通りにできるのは自分だって、そういう感じですよね。
負担が減り、クオリティーが上がり、良い人間関係が増えることになります。
利益を出そうとしすぎた
例えばCDを作るとしましょう。
CD印刷費用に8万円・収録費用に2万円・楽曲制作に8万円・デザイン費用に2万円……
なるほど、結構なお金がかかりますね。
じゃあ、これの「元をとる」ために収録費用を抑えて、制作費用も抑えて、デザインは安い人を使って……
――もちろんできる範囲でやることは大切ですが、出せるはずのお金を「利益」を理由に切り詰めていませんか?
もうおしまいだと思っています。
もちろん利益を出すことは大事ですし、逆にお客さんに奉仕しすぎて
自分がお金を失って一文無しになっては元も子もありません。
ですが、「お金で買えない価値」もあります。
……お金に困っている時ほど、なおさらです。
お金に困る状態になると、「利益を出さなきゃ」と考えがちになるからです。
利益を出せるタイミングでたっぷり利益を取り、
投資するところは投資しましょう。
みんなにとって一番気持ちよくお金が回ったときに、利益の出る案件は回ってきます。
八方美人になりすぎた
音楽の世界は、実力よりも「顔と人脈」と言われることもしばしば。
特に「人脈」というのは、何にも負けない武器になる時もあります。
しかし、この「人脈を広げる」というところにこだわりすぎると
「自分と合わない人」「たくさんのトラブルを抱えている人」と不用意に繋がってしまいます。
忖度のし過ぎ、頭の下げすぎ、過度のゴマスリ
経験上、いいことが全くありません。
ゴマをするということは、ゴマをすられた側は「俺の方が上なんだ」と認識することになります
違うと思った時に「おかしい」ときちんと物申せる人間の方が、対等な人間関係を作りやすいのです。
こんにちは、ヌビアです。 今日は見る人が見たら、大変に怒られてしまいそうな内容になっております。 しかし、ここは恐れずに書きたいと思います。 日本の音楽業界では「人脈がすべて」「飲み会には全部出席しろ」[…]
とはいえ、誰と交友関係を築くのがいいのか、いきなり判断するのは至難の業です。
人付き合いの中で、ある程度の数失敗もするでしょう。
その中で、自分と性格と合う人間関係を、無理なく発展させていくことが大切です!
フリーランスの音楽家が気を付けるべきタイプの人間については
こちらにも詳しくまとまっていますので、参考にしてみて下さい↓
フリーランスは会社や事務所に所属しない分、自由も利きますが、同時に怪しい人間関係も増えることになります。 フリーランスでないという人も、良い人間関係を広げるために判断力を持つのは重要です。 自衛のためにも、気[…]
「アンチの声」に精神を壊された
ある程度精力的に活動するアーティストが、まずつまづくポイントは
「アンチの声」です。
「そんなの気にしなければいいじゃん(笑)」「無視だよ無視!」とはよく言いますが、
それで片付いたら苦労しません。
自分のアピールにSNSなどを使う今の社会では、応援とともに簡単にアンチの声が届いてしまいます。
よく言うことなのですが、
これが僕の考えるだいたいのアンチのメカニズムです
・ストレスがある
・気に食わない人がいる
・ストレスを発散する標的になる(無意識のうちで)
・ネットという「いつでもどこでも誰にでも」悪口を言える場所がある
・「周りをまきこんで」「公の場で」「もっともな理由をつけて」叩く
(イジメる人間の思考)
・エスカレート
そんなアンチの声に対処する方法は、こっちに詳しくまとめています
アンチの声を、なんとお金に変えてしまう方法です↓
こんにちは、チェロ奏者のヌビアです。 近年、アーティストへの誹謗中傷に関する悲しいニュースが後を絶ちませんね。 最初に言っておくと、僕はもともとメンタルがとても弱い人間です。 エゴサをよくすると目につく[…]
「会社絡み」の意味を理解していなかった
事務所でも取引先でも、「会社が絡む」というのはチャンスでもあり、かつ大きなリスクでもあります。
お仕事では、企業からの依頼を受けることができれば、
職種・案件にもよりますが、小さくない金額をもらえることがあります。
会社相手に営業をする機会があれば、ビッグチャンスをつかめるかもしれません。
ですがよくよく注意してください。
「会社」と「個人」では、あまりにも権力が違いすぎるのです。
会社は「法人」、フリーランスは「個人」です。
同じ「人」なのですが、フリーランスであるあなたの身を守ってくれるのは、あなただけなのです。
例えば、事務所に所属するタレントが何か問題を起こしたとしましょう。
その場合、そのタレントではなく事務所が「法人」として謝罪に回ります。
権力的に力の弱いタレント「個人」ではなく、
国に届け出をして「法人」としてみとめられた「人」が謝罪するのです。
ですが、フリーランスは、営業・広報・制作・確定申告……すべて「個人」でやるわけです。
そしてあなたの権力はとても弱いままで、何か失敗してもそれを被ってくれる「人」はいません。
何かミスして、どこかの会社から訴えられたらどうでしょう?まず勝ち目はありません
訴えられる、というのは一番やばい話ですが、
もっと起こりうる話としてこんなものがあります。
実際とは少し内容を変えた体験談
例えば、あなたが「A社」と仕事をすることになったとします。
あなたは別で仲の良い「B社」との現場で、意図せずに「A社と仕事をすることになったんだよね」と言います。
すると、ある日突然B社からの仕事が消えます。
B社はA社と敵対関係にあったのです。
それだけではありません。B社はこれ以上のトラブルを防ぐため、
他の仲の良い企業に「あいつは使わない方が良い」と触れて回ります
結果、あなたには全然仕事が来なくなりました。
……とまあ、少し大げさですがこんなことも十分あり得ます。
もちろん、体験談です。
いきなり踏み込みすぎることをせず、リスク回避の対策はきちんと行いましょう。
さいごに
自分自身が経験したからこそ、フリーランスの難しさを感じます。
フリーランスは、とても弱い立場にあります。簡単に利用されるし、ダマされてもどうにもならない。
誰かに助けを求めようにも、会社が守ってくれるわけでもない。
だからこそ、自分自身を強く持ちましょう!
大丈夫、私も助けます。もし助けが必要な方がいれば、遠慮なく連絡をください。
上手くいけばこんなに楽しい立場はありません!良いフリーランスライフを!